賃貸契約書の写真

空き家の活用法としては、「売る」「住む」「貸す」という選択肢があります。今回は、空き家を賃貸物件として貸し出す場合について、考えてゆきます。

空き家を貸すメリット

・家賃収入が入る。

・将来自分で住むこともできる。

・資産を所有していられる。

ということです。大家さんになって、賃貸経営者となるわけです。いわゆる「不労所得」というものですね。

空き家を貸すデメリット

・借り手がつかないと、家賃収入はゼロ。

・入居者とのトラブルが発生する可能性もある。

・建物や設備が老朽化・故障するリスク。

・固定資産税を払い続けなくてはならない。

・物件の維持管理や確定申告などの手間がかかる。

不動産会社に任せることができる部分もありますが、やはり賃貸経営を行うということなので、それなりのリスクは伴います。

空き家を貸し出すまでの流れ

では、実際の流れについて考えてゆきます。

いくらで貸せるかを調べてみる

貸した場合、いくらで貸せるか?を調べておきましょう。

調べる方法はいくつかありますが、インターネットで近隣の賃料を調べてみて、その5%引きの価格がおおよその相場になります。

ご自身の物件と同じような物件を探して、大体の相場をつかんでおきましょう。※客寄せの「見せかけ」物件もあるので、注意が必要です。

不動産会社の選定

空き家を賃貸物件で貸し出すので、やはり地元の不動産会社が良いでしょう。近隣の状況もよく把握しているので、入居希望者からの問い合わせや疑問にも、すぐに対応できるはずです。

ただし、どのような営業方法なのか、管理を委託できるか、のポイントは押さえておきましょう。

自分で管理できる物件であればいいですが、遠くて管理できないことも想定できます。その場合は、当然不動産会社に管理を委託する必要があります。

不動産会社が「どのような営業活動をしてくれるのか」と、「状況の報告をどんなタイミングでしてくれるのか」は確認しておきましょう。

不動産会社との契約形態

入居者を探して仲介してもらう為には、不動産会社と契約を結んで依頼するケースがあります。

不動産の売買の際には、「宅地又は建物の売買又は交換の媒介の契約」を締結した場合は、遅滞なく媒介契約書を作成し、依頼者に交付することを義務付けています。

一方、賃貸借においては、媒介(代理)契約書の作成・交付は宅建業法で義務付けられてはいません。

ですので、口頭でのやりとりで行われるケースもあります。その場合は、あとで「言った、言わない」の問題になる可能性もありますので、できるだけ書面で交付してもらうほうが良いと思います。

貸し出し条件を設定する

賃貸で貸す場合は、家賃は当然ですが、帆家にもいろいろと決めておく必要があります。

・ 契約形態は普通借家契約か定期借家契約か
・契約期間は何年にするか
・保証人または保証会社の利用はどうするか
・ 敷金礼金をどうするか
・ 原状回復の定義

など、それ以外にもいろいろ考えられます。不動産会社からのアドバイスもあるでしょうが、ご自身でもある程度は考えておきましょう。

定期借家契約も考えておく

日本では、借主の権利が強くて、通常の借家契約では、契約期間が満了しても、貸主から解約を申し出たり、契約更新を拒否することは原則的にできませんでした。

実際にこれでトラブルになったことも少なくなく、住宅の有効活用がしにくくなって、結果住まなくなった住宅が増えてしまった、という現実があります。

その問題を解決すべく、2000年に定期借家権が導入されました。定期借家契約では、貸主が契約を契約期間で打ち切りにすることが可能なのです。

また、期間終了後も、貸主と借主が合意すれば、再契約もできます。こうしておけば、ずっと居座られるリスクを避けることができます。

不動産会社が決まって、貸出条件も決まったら、不動産会社と協力し、

入居者募集→審査→賃貸契約→引き渡し→管理と運営

という流れになります。結構大変だ、と思われるかもしれませんが、これを乗り越えると、賃貸経営者です。

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