今話題の「空き家問題」とは
最近、テレビや雑誌などで「空き家問題」という言葉をよく目や耳にしませんか?なぜ、急に空き家が問題視されるようになったのでしょうか?
それは、総務省が定期的(5年に1回)に行っている「住宅、土地統計調査」によって空き家の数が820万戸にも上ることが公開されたからです。
出典:総務省統計局
なぜ、一戸建ての空き家が増えているのか
になるのか?を考えてみます。理由としては、
持ち主が不在になる
その家に住んでいた人が転勤になったり、入院などにより長い間不在になるケースです。また、戻ってくる予定なので、売ったり貸したりせず、空き家となっている、と言うことです。
老人ホームや介護施設に入られて、そのまま空き家になるケースもあるでしょう。
相続したけれど住んでいない
実家のご両親が亡くなり、住む人がいなくなった家を相続したけど、誰も住んでいない、というケースです。
別に世帯を持っていると、なかなか転居は難しい場合が多いです。お子さんの転校も伴うかもしれませんし、通勤も不便になるかもしれません。
なぜ空き家のまま放置されるのか?
では、なぜ空き家のまま放置されるかについても考えてゆきます。
一番の理由は、税金の問題です。
不動産には、毎年固定資産税と都市計画税という税金がかかります。これは、住んでいようが空き家であろうが課税されます。
税率は固定資産税が1.4%、都市計画税は0.3%、課税標準額に対してかかります。
でも、家やアパートが建っている土地については、「住宅用地の課税標準の特例」が適用されます。
小規模住宅用地(敷地の200平方メートル以下の部分)については、従来の6分の1、都市計画税は3分の1になります。
一般住宅用地(住宅やアパート等の敷地で200平方メートルを超える部分)については、固定資産税は3分の1、都市計画税は3分の2となります。
これが、更地になると「住宅用地の課税標準の特例」は適用されません。
例えば、1000万円の課税標準額の土地で小規模住宅用地(200平方メートル以下)であれば、古くても家さえ立っていれば税金は3万3000円ほどですが、更地にすると、従来の17万円になるのです。
このようなことから、「古くても家を残したままにしておいたほうが得だ」、ということになり、一戸建ての空家が増えているのです。
いよいよ国も動き出した!
このよなう状況のもと、国も動かざるを得なくなってきました。空き家が増えると、地域社会に良くない影響を色々と与えます。
荒れた空き家があると景観も悪くなります。観光地だと観光客の客足にも影響します。また、ゴミの不法投棄、放火、不法侵入など色々な問題が起こる可能性があります。
そこで、2015年に国は「空き家対策(特別措置)法」を制定しました。
そして、この深刻な影響を与える空き家を、各市町村が「特定空き家」として認定できることとなります。これに認定されると、所有者に対して、撤去や修繕の命令を出すことができます。
もし、従わなければ強制的に執行し、それにかかった費用を請求できるのです。いわば「強制力を持った」と言うことです。このように、空き家はもう放置できなくなるのです。
所有者の空き家放置のリスク
空き家は、近隣の地域社会にリスクを与えることをこれまで書いてきましたが、所有者にとってもリスクはあります。
放置しても維持費はかかる
住んでいなくても、維持・管理は必要です。詳しくは、空き家にかかる維持費はいくら?管理するのは大変なの?
資産価値がどんどん下がってゆく
空き家の状態は、家の老朽化に拍車をかけます。風を通さないのでカビも生えやすく、いざ売ろう!と思ってもそのままでは、売れないケースがほとんどです。
人に危害が及ぶ可能性も
老朽化が進んだ状態で放置していると、屋根や外壁が風で飛んで、人を傷つけてしまう可能性もあります。そうなれば、賠償問題に発展する可能性もあります。
まとめ
このように、空き家を放置することは、近隣社会にも所有者にもリスクが残ります。思うように手放すことも、なかなか難しいですが、問題を後回しにしても何も解決はされません。
まずは、「売ったらいくらで売れるの?」を知っておくことをお勧めします。詳しくは、空き家の査定相場を知る方法|相場を知らないと何も始まらない!