建物は人が住んで管理をしていても、老朽化は進んでゆきます。日本の戸建て住宅は、そのほとんどが木造建築のため、空き家の状態となると老朽化のスピードはさらに早くなります。
窓を締め切った状態になっているので、カビもすぐに生えてしまいます。
雑草も生え放題、外壁や屋根もボロボロなんて状態になると、近隣に与える影響を考えて、「取り壊したほうがいいんじゃないか」、と考える場合もあるでしょう。
今回は、空き家の解体について考えてみます。
空き家を解体することのメリット
空き家を管理する必要がなくなる
住んでいなくても、空き家は定期的に管理する必要があります。何もしないで放置していると、雑草は生え放題、屋根や外壁もボロボロ、雨漏りやシロアリで倒壊の危険性まで出てきた、などの状態になると、当然近所からも苦情が来ます。
平成26年に施行された「空家等対策特別措置法」では、地域住民の生活環境に深刻な影響を与える空き家を「特定空き家」に指定することができます。
そうなれば勧告や指導が行われ、従わなければ罰金刑や行政代執行が行われます。
行政代執行とは、市町村の行政が強制的に空き家を解体し、その費用を所有者に請求することです。
つまり、「特定空き家」に指定されたら、速やかに解体する事になります。空き家は放置できなくなってきました。
売りやすくなる
古い家が建ったままだと、売ろうと思いってもなかなか売れない事はよくあります。更地にしておいたほうが、「早く、高く売れる」と言うことです。
不動産会社に売却を依頼すると、「解体してから売りに出しましょう」という提案が入ることでしょう。次に購入する人も大きなリフォームや解体の必要がないので、買いやすいのです。
空き家を解体することのデメリット
では、次に解体することのデメリットについて考えます。
税金が上がる
不動産を所有していると、固定資産税と都市計画税がかかってきます。住宅用の建物が建っている場合は、「住宅用地の特例」と言うものがあって、土地にかかる税金が軽減されます。
200㎡以下の部分については、固定資産税が評価額の1/6、都市計画税は1/3に軽減されているのです。
これが更地になると、軽減措置は適用されずに、いきなり約6倍に跳ね上がることになります。こういった理由で、空き家がそのままにされるケースも多いのです。
また、先ほどの「特定空き家」に指定された場合は、住宅用地の特例は適用されなくなります。
解体費用がかかる
家を解体するにも費用が必要です。大まかな相場ですが、
鉄骨造:6万円/坪
鉄筋コンクリート造:7万円/坪
また、浄化槽がある場合は別途1か所あたり50万円~70万円程度かかってきます。
ざっくりですが30坪の家の場合は、100万円以上の費用がかかることになります。
家の大きさ、構造、地域、場所などによって、解体費用はかなり異なります。
実際の価格は、こちらのサイトで簡単に調べることができます。
解体費用に補助金は出ないの?
高額な費用のかかる空き家の解体ですが、国から何らかの補助金や助成金は出ないのでしょうか?
空き家の除却に関する助成金は、国ではなく市町村が行っています。実施しているところもあれば、まだ整備中のところもあります。
金額もそれぞれバラバラで、「昭和56年5月31日以前に建築された耐震化基準を満たさない木造・非木造住宅」などの前提条件があります。
詳しくは、市町村のホームページの中で確認してみてください。サイト内検索で「除却」という言葉で検索すれば、探しやすいと思います。
もし、見つからなくても、一度直接聞いてみることをお勧めします。
まずは売却価格を知っておこう
ここまで、空き家の解体について解説してきました。結構な費用が掛かることもお分かりいただけたと思います。
実際にかかる解体費用も気になりますが、まずは今の状態で「いくらで売れるか?」を知っておくことは重要です。
解体したらいくらかかるのか?
そのままにしておいた場合のリスクと維持費
以上から判断してみては、いかがでしょうか?お金以外の色々な問題もあるでしょうが、やはりお金の算段は重要です。下記のサイトで、簡単に調べる事ができますので、是非一度試してみてください。
いくらで売れる?一括査定を依頼する⇒イエウール
解体費はいくら?を調べてみる。⇒解体無料見積ガイド